中医学は、中国古代哲学の影響を受けながら、生理学、病理学などの理論と、数千年に渡る臨床経験に基づいて成り立つ中国の伝統医学です。

その特徴は、西洋医学のように身体をそれぞれの部位に分けて分析するのではなく、各部位が相関して身体全体が一つのシステムとして機能していると考えることです。施術は、症状に働きかけるだけでなく、症状や疾患の根源となる原因を正すことを目的とするため、予防医学（病気を未然に防ぐ）として取り入れられることも多くあります。

身体全体に「気」が流れ、この「気」が停滞すると様々な症状や疾患を引き起こすと考えます。鍼灸治療では、全身を走る経絡上の経穴（ツボ）に鍼や灸を施すことで、「気」の流れを正して全身のバランスを取り、身体を本来あるべき状態に戻していきます。

施術では、使い捨ての髪の毛ほどの細い鍼を使用します。これに加えて、鍉鍼（ていしん）と呼ばれる、銀、金、チタンなどでできた細い棒を、皮膚には刺さずにそっと当てる、優しくさする、などの方法で使います。

灸は艾（もぐさ: よもぎの葉の裏にある繊毛を精製したもの）に火をつけ、皮膚に直接・間接的に当て、その温熱効果で身体を整え、痛みなどを和らげるものです。

WHO（世界保健機関）では、約50の疾患に対して鍼灸治療が適応であると認めています。例: 慢性疾患、鬱、風邪、インフルエンザ、消化不良、疲労、不妊、月経困難症、筋骨系の痛み、関節炎、偏頭痛、神経痛など。

＊　現在は鍼灸による施術は行っておりません。